ニューヨークの地下鉄からアレが消えた

日本でも公共の場からゴミ箱が姿を消して久しいですが、ニューヨーク市の地下鉄でも駅構内のゴミを減らしクリーンアップを目指そうという実験的な試みとして続々とゴミ箱が撤去されています。
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ニューヨークの地下鉄といえば、汚い、臭い、遅延が多い。
ドブネズミがはびこっている地下鉄構内プラットフォームにゴミが散乱いるのは日常の光景。
そんなニューヨークの地下鉄のゴミを無くして、駅構内をクリーンアップしようということで、数年前から駅のゴミ箱が撤去されはじめ、現在では468駅のうち39駅でこのゴミ箱撤去計画がすすめられえています。
ゴミ箱を撤去したことにより、ネズミや虫の発生が減少、そしてなんといってもゴミの減量化に成功したようです。
ニューヨークの地下鉄全体で、一日に排出されるゴミの量が40トン(年間で約14000トン=東京ドーム88個分)。
長期の財政難にあえぐニューヨークの地下鉄にとっては、この膨大な量のゴミ収集にかかる費用を何とか削減して赤字を減らしたいところでしょうから、まずはいいスタートです。

さらに、構内のゴミが減ったことで線路の発火事故も減少したのだそうです。

ニューヨークの地下鉄の線路は、日本の電車のような架空電車線方式(線路の上に並行して架線が張られパンタグラフなどから電気を供給する)とは異なり、走行用のレールのとなりに平行して、第三の給電用レールがある第三軌条方式とよばれますが、線路上のゴミがレールに触れて発火し、地下鉄の運行に大きな影響がでるのですが、ゴミ箱を設置している駅よりも、ゴミ箱を撤去した駅のほうが、線路の発火による火事が少ないそうです。


ゴミ箱が撤去された当初は乗客たちは渋々の反応だったようですが、今では乗客たちはゴミを投げ捨てるよりは持ち帰ろうとする傾向があるとのこと。

このゴミ箱撤去作戦がうまくいって継続していけば、いずれはニューヨーク市民全体が”ゴミは各自持ち帰る”ことに慣れていってくれるのではと期待されています。

NYC’s Cleaning Up the Subway by Taking Away Trash Cans
http://www.wired.com/2015/08/nycs-cleaning-subway-taking-away-trash-cans/